不登校やさまざまな事情で学校に通えない子どもたちにとって、
「もう一つの学びの場」があることは、どれだけ心強いことでしょうか。
奈良市にあるNPO法人「市民ひろばなら小草」は、
そんな子どもたちのために無料のフリースクールを運営しています。
子どもたちはここで、安心して学び、自分らしく過ごしています。
🌱 一人ひとりに合わせて、寄り添う学び
このフリースクールを支えるのは、元中学校教員の田村隆幸さん。
「子どもたちは一人ひとり違う。だからこそ、学び方も違っていい」と語ります。
ここでは、勉強を教えること以上に「その子のリズムを大切にすること」を重視。
無理に詰め込むことはせず、対話を通して信頼関係を築きながら学習を進めています。
学力の向上も大切ですが、
それ以上に「人とのつながり」「安心できる空間」であることが、
子どもたちの未来を支える土台となっているのです。
💬 支えるのは地域と市民の力
この活動は、国や行政の制度に頼るだけでは成り立ちません。
地域の人々からの寄付や助成金、
そして「小草基金」のような市民支援によって運営されています。
2022年1月の奈良新聞では、「学び支え合う場 充実を」という大きな見出しと共に、
田村さんの取り組みが紹介されました。
「無償教育支援」の可能性を、現場から静かに発信し続けているのです。
📘 書籍『奈良発 ふまじめ教師の市民教育運動』も話題に
この活動の背景や教育への思いは、
田村隆幸さんの著書 『奈良発 ふまじめ教師の市民教育運動』(かもがわ出版)
に詳しく綴られています。
元文科省事務次官・前川喜平さんとの対談も収録されており、
「教育とは誰のためのものか」という本質的な問いが投げかけられています。
🌏 教育の未来を「市民の手」で支えるということ
2016年に制定された教育機会確保法は、学校外での多様な学びの場を認めています。
それでも、まだまだ制度や支援は十分とは言えません。
だからこそ今、地域の中にある「小さな学びの居場所」が、
子どもたちの未来を支える大きな意味を持っているのです。
学校に行けない日があっても、学びをあきらめないでいられる場所。
それが「市民ひろばなら小草」のような存在なのです。
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